幻が視る固定未来
―――それと、有希乃が帰ってきた次の日は相当浮かれたオレがいたらしい。
本当に恥ずかしいくらい。過去にいけるなら一番に消したい過去だろう。

酔っていた感覚らしく、オレは何をして何を言っていたのか覚えてない。

後から奈々に聞いて絶望に近いショックを受けた。
とりあえず事情を知る奈々が色々とフォローしてくれたらしく助かった。

もし、奈々のフォローがなかったら……考えたくもない。

奈々には感謝してる。
フォローの一件だけじゃなく、有希乃のことについてもだ。それに奈々には気軽に話せる、今は学校中の誰よりも仲がいいだろう。
それは付き合ってると勘違いされるほどに。

有希乃を知る奈々ならばそんなことを言われたら深刻な問題かもしれないが全然気にしてないと言ってるので気にしない。
それに冗談で唯一、付き合ってるぜ、なんて言えるのは奈々以外ありえない。

もちろんオレは有希乃一筋だ。浮気じゃないぜ? 妬くなよ有希乃。いやひょっとすれば怒るかもしれない。

最近は色んな表情をちらほら見るようになったからな。喜怒哀楽なら一度は全部見たかな? 喜と楽ばっかり見るのは幸せってことだろうな。

とりあえずオレが神路高校にしか行く気がないのを示すため、速効でアンケート用紙の第一候補に神路高校とだけ記入してみせる。

「頑張ってね、灼蜘君なら大丈夫だよ」
「あぁ奈々もしっかり受験勉強しないとな」
「ふふ、そうだね」

そうやって今後の受験の話をしている内に昼休みは終了した。
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