幻が視る固定未来

――ちなみに有希乃がこの女子高に行かなかった理由は必要ないから。
まぁ確かに学力は問題ないだろう。それはオレの召使いをしている方が楽しいと言ったから。
もちろん後者でオレは有希乃に「高校に行く必要ないな」と勝手に口が開いていた。

「結構難しいレベルの高校なんだ。灼蜘君も私と同じ高校にしてみれば？」
「おいおい、これ全部女子高だろ？　女装でもしろっていうのか」
「あはは、やっぱり知ってたんだね。ちょっと残念。でも灼蜘君の女装は見てみたいかも」
「かんべんしてくれ」

苦笑いをするオレに対して、どこまで本気だったのか分からない笑顔を返す奈々。
そんな色々と騒がしい朝だった。