幻が視る固定未来
無表情のままオレの待ったの声に止まる有希乃。とりあえず、いつものやるか。

「さて、会議だ有希乃。さっきの戦いどうだった」

停止した有希乃には話題を変えるのが一番。
それに気がついたのはいつ頃だっただろうか……忘れた、とりあえず最近ではないのは確かだ。

オレの言葉に反応して有希乃がさっきの特訓での反省を話し始める。

――訓練は有希乃との剣による真剣勝負。それがメインになっている。
ちなみに玄武として弓も一応有希乃に見てもらったが、専門外ということでいい感想はもらえなかった。しかも弓だとオレ一人しかできないので面白くない。
そうゆう理由でオレは剣の腕を磨き続けた。

もちろん、ただの剣の勝負ではないのは分かってるだろ? オレは玄武、有希乃は隊長の娘。二人ともエデン出身者だからこそ、神素を用いた真剣勝負。しかも有希乃の能力は治癒なために限界がホントに死に近い。

ただ、オレは玄武としての才能に目覚めている。故に幻視の扉もほぼ発動は出来る。
有希乃は強い。だけどオレには及ばない。幻視の扉の発動すればもう有希乃に勝ち目などない。
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