幻が視る固定未来
推薦試験 前編
「ふぁあ」

欠伸が出る。
どうしょうもなく緊張感が足りないなオレは。

今日が試験の日だということを理解してないみたいに。

――あ、いや、もうすで半分は終わってるんだけどな。
オレがどこにいるか分かっているのか。分かるわけがないか。こんな太陽が輝く今日。オレは学校の屋上でのんびりした昼休みを過ごしている。

「眠い」

このまま寝たらおもしろいことになるが、ヤバいことにもなる。
初めて来た神路高校だというのに居心地が良すぎる。

オレはすでに神路高校にて試験を受けた後だ。午前中に受けたのは筆記と面接。
言うまでもない筆記テストは完璧に近い。間違っても5教科中1問あるかないかだな。

面接だって普段から心がけている敬語や受け答えは完璧。もはや午前中の試験に問題は全くない。

試験は早く終わるものだと思っていたが、やはり神路高校は楽ではない。
一日がかりの試験だ。この高校に受かるために必要で、普通の高校とは違う採点方法、スポーツによる試験。
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