幻が視る固定未来
男も呆気にとられているところから、瞬時に脱出して助けに行ったのだろう。

長髪の女子は友達の女子しか見ていなく、大丈夫かと心配して声をかけている。
ますます男の表情が険しくなっていく。
それもそうだろう、今まで話してたのに急に眼中にないように無視されたんだからな。

これは本格的にヤバいな。誰も止めないならせめてオレが止めるか。このままだと収拾がつかないだろうし。

「次の人、入りなさい」

オレのフィールドでオレの試合順になってしまったが丁度いいな。ここで落としても挽回は出来るはず。

「すいませんがオレはパスします」

オレのフィールドの先生に頭を下げ、そして対戦者の女子にも頭を下げてAフィールドに向かう。
後ろで何を言われようが関係ない。だって今Aフィールドでは男が長髪の女子に殴りかかるくらいに勢いで迫っているのだから。

間に合うか? いや間に合わせる。オレならすぐに行けるはずだ。
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