幻が視る固定未来

「お前、この推薦を勝ち取るのが困難なのか知ってるのかよ。一つでも自分の実力を見せて評価されないといけないのに、自分から評価を下げてどうするんだよ」
「まぁそれは人のこと言えないな。殴りかかろうとしたお前には特に」
「はっ、よく言うぜ。これで落ちても俺のせいにするなよ？　あくまでここの採点は実力だ。それ以外では評価の対象にはならない」
「あぁそうだな」
「だったらさっさと逃げてきた試合を受けたらどうだ？　間に合う可能性だってあるんだぜ」
「パス。始めからやる気ない。終わるまでここにいる」
「そうかよ。俺は戻るぜ。俺はただ不意に投げ飛ばされて運ばれた被害者だからな」
「あぁそうしておけ」

それで男は道場に戻って行った。

結局、色々な原因はあったが突如乱入したオレが悪いみたいな流れで終わるだろう。
評価的には最悪だな。