幻が視る固定未来
オレは雪櫻に見られているのを流し、先生に視線を向ける。

「困ったものだ。雪櫻の意見は分かった。この試験はより実力を知るために行っているもの、適した相手と試合をするのが一番だろう。しかし勝手に決める訳にもいかない。幻視、雪櫻と試合するか」

ここでオレの判断!? けどそれでいいなら端から試合なんてしない。オレは柔道の試験は捨てたんだからな。

「……ふ」

この野郎。どんな挑発にも耐えてやるつもりだったが鼻で笑いやがった。
オレが試合をしないっていうのが分かっているから。
そんなにオレを投げたいか、いいぜ、だったら投げてみろよ。オレに触れられたらな。

「わかりました。やらせてください」
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