幻が視る固定未来
気合いは入った。
感謝しないとな。
オレは本気で雪櫻と剣道で戦う。どんだけ全国で一・二を争っても胃の中の蛙、上には上がいることを教えてやる。

本気を出すため、集中したいオレは他の試合を見るのを止めて、舞台の裏側に移動した。

「おい、俺のこと無視かよ」

なんか聞こえたようだがオレは構わず移動した。

雪櫻木葉と剣道で戦う。あいつの場合、女だから手加減しないといけない。
いやそれはありえない。女の子は優しくする。それも関係ない。全力を出す。もちろん普通の人として。
玄武としての力は一切使わない。当たり前だ、いくら強いと言っても相手は普通の人だ。

そういえば雪櫻の髪は地毛か? それとも……いや関係ない。オレはオレの実力のみで雪櫻に敗北を渡す。

オレがここまで対抗意識を燃やすのは何故だ? この感覚は嫌いという訳ではない。ライバルというのかそんな感じ、負けたくないのはもちろん、負けるつもりなんてない。

さて、どうなるだろうな。今度は逃げじゃない攻めのオレを見せてやるよ。
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