幻が視る固定未来
それにあの助歌を言葉で攻め勝つんだからそりゃ笑える。
召使いの最上位である助歌なのだから、ほとんどの召使いは助歌の命令で動いているも同然。
けどそれは結局、助歌がこの屋敷で一番偉い母上の直属であるからであり、オレの直属である木下にとっては昨日の献立のようにどうでもいいことのようだ。
そこまでオレに忠実だと宣言されると不思議と木下に加勢したくなる。
「助歌。言うまでもないがオレが木下に名前で呼べって言った。もし気の喰わないなら助歌の言う最上位である母上に今からでも許可を取りに言ってやるよ」
「いえ、そんなことはありません。ただ私は召使いとして当り前――」
「――主人に忠実に、だろ? だったら木下の何が間違ってるんだろうな。まず最初にオレを納得させてみるか。なぁ助歌」
「……っく」
言い返せないってことは認めたってことだな。
それにしても完全にオレは木下の味方をしてしまったな。あんまり助歌をイジメ過ぎると母上に報告されたら困る。オレじゃなくて木下が。
けどここまで言ってしまったことだし、何よりも助歌が認めてしまった以上は今更弁護しても意味はない。ならいっそのこと名前で呼ばせることを正式化させればいい。
「助歌。木下は迷わずオレのことを名前で呼ぶ。これはオレの命令でもある。もちろん助歌は認めてくれるよな?」
「……今の私に反論の余地はありません」
召使いの最上位である助歌なのだから、ほとんどの召使いは助歌の命令で動いているも同然。
けどそれは結局、助歌がこの屋敷で一番偉い母上の直属であるからであり、オレの直属である木下にとっては昨日の献立のようにどうでもいいことのようだ。
そこまでオレに忠実だと宣言されると不思議と木下に加勢したくなる。
「助歌。言うまでもないがオレが木下に名前で呼べって言った。もし気の喰わないなら助歌の言う最上位である母上に今からでも許可を取りに言ってやるよ」
「いえ、そんなことはありません。ただ私は召使いとして当り前――」
「――主人に忠実に、だろ? だったら木下の何が間違ってるんだろうな。まず最初にオレを納得させてみるか。なぁ助歌」
「……っく」
言い返せないってことは認めたってことだな。
それにしても完全にオレは木下の味方をしてしまったな。あんまり助歌をイジメ過ぎると母上に報告されたら困る。オレじゃなくて木下が。
けどここまで言ってしまったことだし、何よりも助歌が認めてしまった以上は今更弁護しても意味はない。ならいっそのこと名前で呼ばせることを正式化させればいい。
「助歌。木下は迷わずオレのことを名前で呼ぶ。これはオレの命令でもある。もちろん助歌は認めてくれるよな?」
「……今の私に反論の余地はありません」