幻が視る固定未来
母さんとの話は終わりオレは部屋を出た。

結局話は青龍との対面がいつかあるというだけ。詳しい話はまた分かってから教えてくれるらしい。

今は母さんに任せるしかないか。
そうしてオレは自分の部屋に戻った。

「おい有希乃」
「何?」

ベッドに座りながら読書して待っていた有希乃を呼ぶ。
聞きたいことアンド言いたいことがあったから。

「ちゃっかり母さんに玄武について聞いてただろ? 道理で詳しい訳だよな」
「聞いたら駄目とは言ってない。玄武としての情報はどうあっても調べようがない。聞くのが一番」
「これでもオレ、こっそりやってる方なんだが筒抜けで焦ったぜ。今までの特訓全部話したのか」
「それが条件だったから。灼蜘の成長報告の代わりに聞いていた」
「それってつまり、オレが成長してないと聞けないってことか」
「そう」

成長しないと次にはいけないしな、有希乃に損はない。
それはつまりオレにも損自体はないってことだ。
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