幻が視る固定未来

折角の休日だというのに空はネズミ色に曇り、いかにももうすぐ雨が降り出しそうな天気の今日。
しかし休日だろうともオレは屋敷の中にいるので関係ない。
きっと他の人は折角の休日にこんな天気で最悪、とでも思っているのだろう。本当にどうでもいいことだが。

朝、昼と過ぎて夕方の今、オレはいつもの勉強している。もちろん木下はいつもの通りよく分からない本を読んでいる。
スラスラと進むシャープペンの後だけがオレの部屋に響く。
実はいつもこうではない。時々で気分次第なのだがオレは音楽をかけている時がある。もちろん勉強中だから派手なものは聴かない。クラシックなどは勉強中より集中力が増すというらしく、オレはすぐさま実行した。
勉強中に音楽などと、助歌ならば文句を言っていたかもしれないがもちろんのこと木下がそんな文句を言う訳もなく、ただ一度だけオレがＭＤコンポをセットするのを見て、すぐ読書を再開していた。
恐らくこれがクラシック以外ならばちょっとは何か言っただろう。もしくは今以上に音量を上げるとか、とりあえず勉強に支障しないのならば問題はないってことだろう。