幻が視る固定未来
あれから何日経ったか分からない。
訓練所に行き、神素が切れるまで具現化する幻を発動し、切れたら回復するまで寝る。その繰り返し。
朝昼夜も関係ない。ただ食事は神素の回復に響くためにちゃんと摂っている。

学校もまともに行っていない。

そうまで何がしたいのか。みんながそれを聞く。助歌が心配そうに気遣い、母さんも無理はしないでほしいと言う。
はっきり言ってそんな同情はいらない。これは今のオレに必要でありやらない訳にはいかないこと。試せるならやるしかない。

そんな焦りからか、オレは神素がつきたというのに神素を使った。

視界がぼやけ暗くなり、膝が折れて地面に倒れる。
神素を超えて使用すればあるのは死。そんなことは承知の上だった。

そのままオレは死ぬのかと思いながら、完全に意識が途絶えた。
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