幻が視る固定未来
いくら急いでいても礼儀は忘れない。だからちゃんとノックして返事が返ってきてから部屋に入る。
「どうしましたか灼蜘」
部屋には母さん一人しかいない。助歌がいないのはちょうどいい。
「母さんにちょっと聞きたいことがあって。父さんが昔、神素について研究していたって話したけど、その資料とかない?」
「率直に言うとあります。けど何に使いたいんですか」
あるという言葉に反応して喜んでしまいそうになるが、母さんの言葉と表情は険しい。
冷静になれ。
母さんはオレの言葉次第で父さんの資料を見せてくれない。今まで訓練所にこもっていたのに急に出てきて資料を見せろだ。きっと何か危険なことをしようとしてると疑っているかもしれない。
冷静にここは有希乃を具現化するとは言えない。出来るわけないことに時間を費やさせる訳がない。これは絶対に言えない。
でも隠すときっと青龍に復讐するために強くなろうとしていると思うだろう。母さんはまだ青龍を信じている。だからこそ言えない……が、理由としては一番簡単だろう。
――全ては言わないで資料をもらう。この部屋にくるまでに考えたことだ。
「どうしましたか灼蜘」
部屋には母さん一人しかいない。助歌がいないのはちょうどいい。
「母さんにちょっと聞きたいことがあって。父さんが昔、神素について研究していたって話したけど、その資料とかない?」
「率直に言うとあります。けど何に使いたいんですか」
あるという言葉に反応して喜んでしまいそうになるが、母さんの言葉と表情は険しい。
冷静になれ。
母さんはオレの言葉次第で父さんの資料を見せてくれない。今まで訓練所にこもっていたのに急に出てきて資料を見せろだ。きっと何か危険なことをしようとしてると疑っているかもしれない。
冷静にここは有希乃を具現化するとは言えない。出来るわけないことに時間を費やさせる訳がない。これは絶対に言えない。
でも隠すときっと青龍に復讐するために強くなろうとしていると思うだろう。母さんはまだ青龍を信じている。だからこそ言えない……が、理由としては一番簡単だろう。
――全ては言わないで資料をもらう。この部屋にくるまでに考えたことだ。