幻が視る固定未来
「そもそも、父さんの資料が残っているっていうことは現玄武であるオレのためにあるってこと。そのオレが父さんの資料を借りたいのに貸せないってどうしてだ? 父さんに預かったものじゃないの? オレのために!」
感情的に言ってしまったが止まらない。止まれる訳がない。
母さんにオレの具現化を邪魔する権利はないから。
「灼蜘、私が憎いですか。あなたのやろうとしていることを邪魔する私が」
「う、」
言葉が詰まる。そしてそこで冷静になる。
母さんは全てを知らないと答えを出さない。そう、オレがはっきりとしたことを言わないから母さんもはっきりとした答えを言わない、いや言えない。
憎い訳がない。
「落ち着いたようですね」
母さんは分かったように言う。だけどそれは本当に分かっているだろう。隠すことは出来ない。本当に父さんの資料が必要なら。
「母さんは、父さんの研究、何をしようとも信じてた?」
「もちろんです。何をするか言ってくれましたから。もちろん妻になってからのことですが」
「オレが何をしようとしているか聞いたら父さんの資料貸してもらえる?」
「やろうとしていることによります」
「……オレは有希乃の魂を受魂したことにより、具現化する幻が可能になっている。だからオレは有希乃を具現化したい」
否定されると分かっていて言う。それは思った以上にきつい。
感情的に言ってしまったが止まらない。止まれる訳がない。
母さんにオレの具現化を邪魔する権利はないから。
「灼蜘、私が憎いですか。あなたのやろうとしていることを邪魔する私が」
「う、」
言葉が詰まる。そしてそこで冷静になる。
母さんは全てを知らないと答えを出さない。そう、オレがはっきりとしたことを言わないから母さんもはっきりとした答えを言わない、いや言えない。
憎い訳がない。
「落ち着いたようですね」
母さんは分かったように言う。だけどそれは本当に分かっているだろう。隠すことは出来ない。本当に父さんの資料が必要なら。
「母さんは、父さんの研究、何をしようとも信じてた?」
「もちろんです。何をするか言ってくれましたから。もちろん妻になってからのことですが」
「オレが何をしようとしているか聞いたら父さんの資料貸してもらえる?」
「やろうとしていることによります」
「……オレは有希乃の魂を受魂したことにより、具現化する幻が可能になっている。だからオレは有希乃を具現化したい」
否定されると分かっていて言う。それは思った以上にきつい。