幻が視る固定未来
神素を開放した。
限界を超えたはずなのに神素を開放した。そしてその神素は自分のものではなかった。感じたことのある神素は間違いなく有希乃のもの。

溶け合ったはずの神素が全く別なものとしてオレに流れる。これはただの神素ではなく生命の炎。死を覚悟して行う神素解放の最終手段。

有希乃がオレに生きろと言っている。自分を犠牲にしても生きろと言ってる。

甘い話だった。命を賭けたはずなのになんでオレはこの最終手段を使っていない!

有希乃の生命の炎を更に激しく、自分の生命の炎を燃え立たせる。
すると自分の体に異変が起きる。神素が固まり自分を覆う鎧のようになっている。
けどその姿は武神を超え、悪魔にさえ近い。初めて受魂をした日の神素の暴走に似ている。
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