幻が視る固定未来
「灼蜘、ここにはもう来たら駄目。命がなくなる」

残念だが有希乃、オレだって来たくて来たわけじゃねぇんだよ。それに有希乃の具現化を果たすまでオレは止めない。

「私のせいで灼蜘が死んだら悲しい」

……それは厳しいな。悲しませたくないが止めれないのは事実。これは命を賭けたギャンブルでもある。つまり今のオレの道先は二つ。

有希乃を具現化出来るようになるか、有希乃の具現化が出来ずに無理をして自爆するか。
そう正に天国か地獄しかない。
だけど今のオレには平凡などいらない。それくらいギャップが激しいくらいがちょうどいい。

「灼蜘、これ以上は……」

-―ち、どうやらこっちでもオレの意識が持たないらしい。
有希乃の最後の言葉聞けなかったな……なんとなく言いたいことは分かったが。
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