幻が視る固定未来
「奈々ばかりだから私も少し言う。
私の両親はエデンの民で隊長の地位まで持っていた。本来なら隊長同士の恋愛は禁止だったけどその世代の生神様に認められ、正式に付き合っていた。それと守護四神は知っている?」
「うん、お母さんから聞いているよ。生神様を守る四つの番人だったかな」
「そう。守護四神は直接生神様を守る四方の門の番人、青龍、朱雀、白虎、そして玄武。その玄武が今の灼蜘に当たる」
「……灼蜘君は守護四神さんなの?」
「そう、灼蜘のお父さんは紛れもなく玄武だった」
「凄いことだよね。だから何でもできるのかな」
「それは違う。守護四神だから何でもできる訳じゃない。才能は確かにあるけどそれまでの努力があったから今の灼蜘がある」
「そうだね。何もしないと持ってる才能も意味がない。その通りだ」

奈々は理解が早い。
私が何を言いたいのか、全てを言わなくても理解している。
こうゆう人は話しやすい。
話しやすいということか、普段じゃ考えられないくらい奈々とお喋りが出来た。それこど灼蜘が起きるまで。

途中、助歌が来て死者が蘇ったような顔で私を見たけど、事実その通りなので何も言えない。
慌てながらもどこかに行った。
行く場所といえば灼蜘のお母さんのところだろう。

数分後、案の定、助歌は灼蜘のお母さんを連れてきてそして私は奈々のいない別室まで連れて行かれた。
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