幻が視る固定未来
「写真は出来たら渡す」
「うん、分かった。ちゃんと明日から学校に来るんだよね?」
「あぁそうだな。やりたいことは出来たしそうする」
「うん分かった、それじゃまた明日」

そうやって手を振り合って奈々は帰って行った。もちろん隣にいる有希乃もちょこんと手を振っている。

「それにしてもなんでいきなり写真なんて撮ろうと思ったんだ?」
「記念」
「何の?」
「……色んな」

珍しく有希乃が曖昧なことを言うな。それほど思いつきってことか。でも確かに記念にはなるな、オレにとっても。
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