幻が視る固定未来
木下有希乃
――何も変わる筈のない六月の夏。中学生になって一年が過ぎ、今は中学二年生。
オレはまるで高級旅館とも思える無駄に広い屋敷でただ勉学に励んでいる。
今日は学校も休みである土曜だが、オレはいつでも屋敷の中で勉強や体を鍛える訓練を狂いを知らない電波時計のように毎日こなしている。
普通の中学生ならば何をしているのだろう?
よく分からないことだがオレは普通ではないのだし、何よりもこれは母上がオレに言ったから守る以外に何もない。
“父のような立派な玄武になる”
それが母上の願いであり、オレの生きる理由にしてレールだ。終着駅は言うまでもない母上が認めてくれる玄武になること。
これが当たり前のこと。オレが玄武として生れて来たのだから他に何があるというのだろう。そんなこと知る必要すらない。
そう、だからオレは母上の言う通りに生きている。
オレはまるで高級旅館とも思える無駄に広い屋敷でただ勉学に励んでいる。
今日は学校も休みである土曜だが、オレはいつでも屋敷の中で勉強や体を鍛える訓練を狂いを知らない電波時計のように毎日こなしている。
普通の中学生ならば何をしているのだろう?
よく分からないことだがオレは普通ではないのだし、何よりもこれは母上がオレに言ったから守る以外に何もない。
“父のような立派な玄武になる”
それが母上の願いであり、オレの生きる理由にしてレールだ。終着駅は言うまでもない母上が認めてくれる玄武になること。
これが当たり前のこと。オレが玄武として生れて来たのだから他に何があるというのだろう。そんなこと知る必要すらない。
そう、だからオレは母上の言う通りに生きている。