幻が視る固定未来
「けど、友達になって何か変わるのか」
「変わらない。私は最初からそのつもり」
そうだった。最初から木下はオレのことを友達として考えていた。なら変わるのはオレの方か。
「だったらオレも木下じゃなくて有希乃って呼んでみるか」
「……構わない」
ちょっと返事が遅かったのは抵抗があるからだろうか。
あまり名前では呼ばない方がいいだろうか。
不安ながらにオレは聞くことにした。
「これは命令じゃないから、もし名前で呼ばれるのが嫌だったら言えよ。友達なんだからさ」
この『友達なんだしさ』がなんとも初々しくて言ってて恥ずかしくなる。
「別に嫌悪は感じない、ただ呼ばれ慣れないから戸惑っただけ」
「やっぱり両親しか呼ばないのか」
木下は頷きで返した。
まぁ自分の名前を呼ぶのは親くらいだと、オレ自身がよく分かっている。木下に呼ばれた時、慣れない感じはあったから。
「……でも、呼んで欲しい」
迷っていたのはもちろんだったが木下のその言葉が決定的だった。
だからオレはもう迷わない。
「だったら有希乃。これからもよろしく」
椅子から立ち上がり木下の目の前まで歩き右手を差し出す。
「こちらこそ」
木下も立ち上がり握手をした。
そうして改めてオレは木下……いや有希乃と友達なった。
「変わらない。私は最初からそのつもり」
そうだった。最初から木下はオレのことを友達として考えていた。なら変わるのはオレの方か。
「だったらオレも木下じゃなくて有希乃って呼んでみるか」
「……構わない」
ちょっと返事が遅かったのは抵抗があるからだろうか。
あまり名前では呼ばない方がいいだろうか。
不安ながらにオレは聞くことにした。
「これは命令じゃないから、もし名前で呼ばれるのが嫌だったら言えよ。友達なんだからさ」
この『友達なんだしさ』がなんとも初々しくて言ってて恥ずかしくなる。
「別に嫌悪は感じない、ただ呼ばれ慣れないから戸惑っただけ」
「やっぱり両親しか呼ばないのか」
木下は頷きで返した。
まぁ自分の名前を呼ぶのは親くらいだと、オレ自身がよく分かっている。木下に呼ばれた時、慣れない感じはあったから。
「……でも、呼んで欲しい」
迷っていたのはもちろんだったが木下のその言葉が決定的だった。
だからオレはもう迷わない。
「だったら有希乃。これからもよろしく」
椅子から立ち上がり木下の目の前まで歩き右手を差し出す。
「こちらこそ」
木下も立ち上がり握手をした。
そうして改めてオレは木下……いや有希乃と友達なった。