幻が視る固定未来
――そういえば最近、学校に行って変わったことがある。
あの有希乃が来た日以降から、時々クラスメイトから話しかけられるようになった。それもたった一人の女子生徒から。
クラスメイトのことはおよそ把握している。だけど何よりも覚えていたのが、有希乃に一瞬だけ勉強を教えてもらっていた女子生徒だということ。
名は芳原奈々(よしはら なな)であってるはず。
大人しい訳でもないが特段としてうるさい訳でもない。もちろんオレとは違ってクラスにはよく溶け込んでいる。
だけどオレとの深い関わりなどなく……まぁクラスメイトの中に深いかかわりのある奴なんていないけど、それでも話しかけられるような話題をオレは持っていなかった。
――加えてきっかけもない。そうオレには芳原との関わりはない……。
もちろん芳原がオレに話しかけてきたのは、ただお喋りをする訳ではない。ただ単に勉強を教えてもらいたかっただけのようだ。
それでようやくオレは絶対防御の“近寄るなオーラ”を消した。こんなことを言いだしたきっかけは間違いなく有希乃になるだろうから。
思えばあの日、有希乃は芳原に勉強を教えた後、オレを指さしていた。きっとあの時
『今度からは灼蜘に教えてもらえばいい』とでも言ったのだろう。
普段なら絶対に教えることはないだろうが、有希乃が言ったのならしょうがないとオレはすんなりと諦められた。
だから芳原に分かりやすく勉強を教えてあげた。
あの有希乃が来た日以降から、時々クラスメイトから話しかけられるようになった。それもたった一人の女子生徒から。
クラスメイトのことはおよそ把握している。だけど何よりも覚えていたのが、有希乃に一瞬だけ勉強を教えてもらっていた女子生徒だということ。
名は芳原奈々(よしはら なな)であってるはず。
大人しい訳でもないが特段としてうるさい訳でもない。もちろんオレとは違ってクラスにはよく溶け込んでいる。
だけどオレとの深い関わりなどなく……まぁクラスメイトの中に深いかかわりのある奴なんていないけど、それでも話しかけられるような話題をオレは持っていなかった。
――加えてきっかけもない。そうオレには芳原との関わりはない……。
もちろん芳原がオレに話しかけてきたのは、ただお喋りをする訳ではない。ただ単に勉強を教えてもらいたかっただけのようだ。
それでようやくオレは絶対防御の“近寄るなオーラ”を消した。こんなことを言いだしたきっかけは間違いなく有希乃になるだろうから。
思えばあの日、有希乃は芳原に勉強を教えた後、オレを指さしていた。きっとあの時
『今度からは灼蜘に教えてもらえばいい』とでも言ったのだろう。
普段なら絶対に教えることはないだろうが、有希乃が言ったのならしょうがないとオレはすんなりと諦められた。
だから芳原に分かりやすく勉強を教えてあげた。