幻が視る固定未来
そうして今日もいつくもの欠陥品を作り上げ、幻視の訓練は終わった。

「幻視様、あなたはこのままだと真の玄武にはなれない。分かっているはずです、このままだと無意味な幻視の能力であることを」
「そんなこと分かっているけど、それはどうしょうもないことだ。訓練する内に解決するだろ」

オレは心にもない言い訳をする。

「私の目を見て言いなさい。これは奥様から任されていることなのです。いい加減には出来ません」
「オレがいい加減だと言うのか!?」

オレは助歌を睨みつける。
けどそんなことに構わず助歌は食い下がることなく反論する。
恐らくいい加減、進歩どころか後退するオレに痺れを切らしたのだろう。それとも母上が何か言ったのか。

とりあえず、分かることは簡単には帰られないということ。
はぁかったるいな。

「いつからこんないい加減なことをするようになったか分かりますか？　それをちゃんと自覚しているんですか」
「だからオレは――」
「――認めなさい！　それとも今のあなたはその幻視の力に満足しているんですか」
「く、」

満足しているかだと？　そんな訳ないだろ。
そんな不満は言うまでもなく顔に出ているだろうな。
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表紙・目次

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