らしくないけど
めんどくさいの嫌いだし、女心なんてほとんど分からないけど。
それでも、今こうして画面に【高野 郁】って表示されてる状況に、自分でも呆れる。
俺思った以上に高野のこと好きだわ。
発信を押せば、咲良と白城は2人で目を合わせて安心したように笑った。
…ほんと、おせっかいだな。
どうせ、出ない。
なんて思ってた時だった。
無機質なコール音が切り替わって、ガヤガヤと騒がしい音が聞こえてくる。
「……もしもし」
…やばい。出んのかよ。
「…高野?」
電話の向こうから聞こえてくる音が、どうも家にいるような音じゃない。
つーか、多分店?居酒屋?
すげー賑やかなんだけど。