らしくないけど

出た、山田。

そういえばこいつこの前山田とのランチすっぽかしたんだっけ。

…すっぽかされたとは思えねー笑顔だな。すげー爽やか。さすが営業部の王子様って呼ばれてるだけある。


「今日はランチ一緒にどう?」

「あー、今日?」


営業部の王子様に好かれてるからか、高野は営業部の女子社員からあまりよく思われてないらしい。

それを同僚に聞いたとき、こいつ何も悪くねーのにイケメンに好かれたってだけで災難だなって思った。

まあ当の本人が気にしてないみたいだし、何なら俺と仲良いのもたまに何か言われてるみたいだし。俺がどうにかしなくてもどうにかするだろうし。


「行ってくれば?」

この王子様は高野の容姿に伴ってない残念な中身をまだ知らないらしいし、だったら行ってこいよって。

ランチだって何度か行けばこいつの性格だんだん分かってくると思うし。


「加地くんだっけ?高野と仲良い同期の。よろしく、俺山田大樹」

やまだたいき?

今さらその自己紹介いる?
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