らしくないけど

案内された場所はやっぱり個室で、ここに2人でいて、それも高野は飲み過ぎか知らねぇけど寝てるみたいだし。

…あぁもう、ムカつく。

ごゆっくりどうぞ、なんて言った店員さんが去って行ったのを確認して、扉を開ける。


…ふざけんなよ、バカ。


「早かったね、加地くん」

山田はテーブルに肘をついて、そのテーブルに伏せて寝てる高野を見つめてて。

入ってきた俺をその視線を上げて見た。


「ワイン、止めたんだけど飲んじゃって」

机を見れば多分、高野が1人で飲んだであろうワインのボトルがあって、それはまだ半分残ってるのにこのザマだ。

ほんとバカ。

学習しただろ、お前。ワイン苦手なんだって。

…山田の前で飲むなよ。


「…連れて帰る」

咲良じゃないけど、お前にも前科あるよな。

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