らしくないけど

何だそれ。

話しかけても避けられて、目も合わなくて、それでも高野の話聞けって?

「…わけわかんねー」

目の前で目を閉じる高野は、俺の悩みなんて御構い無しに気持ちよさそうに眠ってる。

…バカ。

俺お前のことでこんなに悩んでんだけど。


「…これ、足りなかったら言って」

咲良と白城にしたのと同じように、机にお金を置いた。もちろん、山田がいらないと言うのは目に見えてたから、聞こえないふり。


「起きろ、高野」

肩を揺すれば、少し眉間にシワを寄せる。

「んー…?」

「起きろっつってんの」

眉間のシワをドンと指で突いてやれば、眠そうに瞬きをしながらゆっくりと目が開いた。

「……え…なん…」

「帰るぞ」

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