らしくないけど
「…何笑ってんの」
それがおかしくて笑ってたわけじゃなくて、たぶん可愛いなって思ったら自然とそれが顔に出てたんだろうな。
「加地くん分かってる?あたし、本気で加地くんのこと好きだったから嬉しかったの、好きだって言われて」
酔ってるから、ってのもあんのか。
だからワイン飲むなって言ったのに。
きっと酔ってなかったらこんなに素直に気持ちをぶちまけたりしない。
「でもよく考えたら加地くんがあたしを好きだなんてそんなことほんとにあるのかなって、冗談だったのかなって…」
うん、それはさっき聞いた。
俺ってそんなに可能性なさそうな感じだった?
「…おい、待て」
ソファに勢いよく座った高野。
その勢いのまま寝転ぶから、慌てて止めたけど多分もう手遅れで。
「え、寝んの?」