らしくないけど

花束を抱えた咲良と蓮くんが出てきたとき、とうとうっていうかなんて言うか、分からないけど白城の涙腺が崩壊した。

マジでこいつ。

もし高橋と結婚、自分の結婚式大丈夫か?


「うっわ、白城泣いてんの?」

「あ、中村先生」

高橋の声に振り向けば、呆れ顔の中村先生と白城を見てニコニコ笑ってる吉野先生がいた。

「なに、何で泣いてんの?」

「いやもう俺も自分で分かんねー。何これどうやったら止まんの」


なんて、やっぱりいつもと変わらない会話が広げられてる中、階段を下りてくる2人。

フラワーシャワーの中を歩く2人は今までで一番幸せそうで、やっぱり俺も白城のこと言えないなって。柄にもなくグッと来た。

俺らを見つけて嬉しそうに笑う。

他の参列者と同じようにフラワーシャワーで祝うけど、今日を祝うような青空に映える花びらも2人の笑顔も、多分俺一生忘れない。


「おめでとう」

「んふふ、ありがとう、みんな」

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