らしくないけど

「山田くんにさ、加地くんにお土産って言ったらちょっとびっくりしてたけど、訂正するのも面倒だったしそのまま…いた!」

「訂正しろよそこはお前」

肩をさすって睨んでくる高野。

バカ野郎お前、当然の仕打ちだと思え。


「俺が乙女趣味だと思われんじゃん」

「そうだね」

「ふざけんな」

もう肩を殴っても怯まないし何ならこいつ慣れてきて反応も薄いじゃねーか。

山田に乙女趣味だと思われんのは、何かちょっと違う。こいつがふざけて言うのとは絶対的に何かが違う。


「でも加地くん今後山田くんと関わることもほとんどないんじゃない?じゃあいいじゃん」

「お前マジで人ごと」

「その通りだからね」

まあわざわざ買ってきてくれたそれを返すわけにもいかないし、とりあえず空いてるスペースにそれを置いてみた。

「あはは、置いてくれるんだ」

「今甘いのいらねーし」

「そ、じゃあ食べたくなったときにどうぞ」

こういうのが好きな女子だったらきっと、貰った時に高野みたいに爆笑なんてしないし、お返しのように同じものを買ってきたりしないだろう。

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