らしくないけど

胸糞悪いわマジで。

壁に寄りかかって黙って聞いていたけどそろそろ限界で、体を離して給湯室の入り口に立つと、一番に高野と目が合う。

俺の気持ちを代弁してやってるみたいな態度が、勘に触って。


「後輩囲んで何やってんすか」

気持ちを落ち着けてそう言ったものの、多分高野は気づいた。俺が怒ってるって。

普段ほとんどっていうか、全く給湯室に来ないから油断してたんだろう。

振り向いた先輩たちはすげー驚いた顔をしてて、高野は何とも言えない顔で俺を見て、そのあと少しだけ笑った。

この状況で笑うか普通。


「あ、の…加地くん何で…」

「コーヒー飲みたくて」

「でもいつも…」

先輩は3人いて、確かに誠二が言う通り派手。

この中の誰かが俺のこと好きだってわけ?3人ともよく話しかけてくるしどの人か分かんねぇわ。

「俺が給湯室来たらダメなんですか?」

そりゃ、都合悪いよな。

俺のことで高野にグチグチ言ってんだから。

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