らしくないけど
「で、何してんですか?」
暇人かよ。
こんなことしてる暇があったら仕事しろよ。
ガサツで干物女だけど、そこにいるやつは少なくともちゃんと仕事してるし、あんたらより仕事早いよ。
って言ってやりたいけど、ここで揉めんのはマジでめんどくさい。これ以上関わるのももうめんどくさい。
「…ま、全部聞いてたんすけど。」
俺がそう言えば、今にも泣きだしそうな先輩が一人。
この人か。
確かこの人、バレンタインにチョコくれようとしてた中の一人だ。誰からも受け取らなかったから、もちろんこの人からのも貰ってねーけど。
「直接俺に聞いた方が早いのに、わざわざこいつに言うようなことじゃないですよね」
俺知ってるけど、こういう時女って自然と相手の女を攻撃することが多いじゃん。
男に嫌われたくないからってのもあるんだろうけど、気づいたとき胸糞が悪いのは間違いなく自分以外に攻撃される方だって。
高野がこんなことで落ち込むような女じゃないって分かってるけど、黙って見てるのは俺の気が済まない。
「こういうことする女、俺眼中にないんで」
二度目はない。
「やめてくださいね、先輩」