らしくないけど
「どうでしたか、山田くんとのデートは」
「あはは、デートって」
「フレンチレストランはデートだろ」
フレンチレストランに誘われておいてそれをデート言わないなら何だって言うんだ。
しかもあんな綺麗なワンピース着て、綺麗に化粧までしないと入れないようなとこだったみたいだし。それはもうデートだろう。
ていうか多分山田はデートのつもりで誘ったんだと思うんだけど。
それに気付かない辺り男にとっては残酷なのかもしれない。
「デートだったのかな」
「知らねーし。俺に聞くなよ、お前が行ってきたんだから分かるだろそれくらい」
「んー、まあね。そのようなことは言われたんだけど」
「は?」
そのようなことっていうのは、多分告白って意味で。それをサラッと言った高野は俺が入れてやった酒を飲んで笑う。
何だこいつ。
「告白ってこと?」
何でこんな普通なんだよ。
営業部の王子様が相手だぞ。
「うーん、どうなんだろ。俺のこと考えてみてよって言ってたけど、それって告白なのかな」
「いやそれほぼ告白じゃん。つーかフレンチレストランは本命だろどう考えても」