らしくないけど

こいつマジで。

ほんとに、黙れ。


「他に言葉の選択肢なかったのかよ」

「仕事しながらだからね、そりゃあ言葉のチョイスミスはあるよ」

「お前のそれチョイスミスじゃねーだろ。…笑ってんじゃねーか」

ニヤニヤしてる高野をもう無視して、パソコンに向き直る。


「ちゃんと写真撮ってきてよー?」

「は?誰の?」

「咲良ちゃんに決まってんじゃん」

「何で?」

「見たいもん。あんな可愛い子の結婚式だよ?綺麗に決まってるし、旦那さんも見てみたいし」

好奇心なのか何なのか。

そんなもん見てどうすんだってことは多分言っても意味ないから言わないけど。


「高野ー、ちょっといいか」

「あ、はい」

上司に呼ばれた高野は立ち上がってどこかへ行ってしまった。

急に会話は終わったし、俺返事してないし。頷いたわけじゃないからわざわざあいつのために写真なんか撮ってやらねー。

なんて思うものの、何となく強引に見られるような気がしないでもない。

そういうやつだし。

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