らしくないけど

「はー…」

何だこのため息。

高野が俺のことを好きなはずなのに、何で俺がこんなに振り回されてんの。

もう山田も戻っただろうなってタイミングで、仕方なく俺も戻ろうとドアを開ける。蒸し暑い空気が一気に涼しくなって、見えた光景にげんなりした。


何なんだよ。

「あ、加地くん」

「…何してんの、高野」

「加地くんどこでサボってんのかなーって探しに来たんですけど。加地くんだけズルい」

このやろう。

こっちはお前のこと考えてこんなとこでたそがれてたんだぞ。

「山田くんまで一緒みたいだったし」

「俺はたまたま加地くん見つけてちょっと話しただけだよ。もう戻るし」


何が気にくわないって、高野の隣に山田が立っててそれが何か知らないけどカップルに見えたことだ。

俺分かった。

何でこんなにイライラしてんのか。

「加地くん、もうサボっちゃだめだよ」

そう言った山田。
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