らしくないけど
俺結構今までと対応とか変えたつもりだったんだけど、それが伝わらないのは多分俺が高野のことを好きになるわけないってこいつの中で思ってるからで。
それに関しては俺の今までの態度とか、咲良のこととか色々原因はあるからこいつは何も悪くないんだけどさ。
……思い返してみれば告白しても冗談だと取られる可能性が高いような発言だったり態度だったりっていうのが多すぎる。むしろほぼそれ。
バカ。アホ。おっさん。なんて何回言ったか。
そんなこと言ってくる男が自分のこと好きになるなんて多分高野はこれっぽっちも思ってないし、だからこそ気長にいく、なんて言葉が出てきたんだろう。
「あれ行こう、花火」
「え……」
「何だよ」
パッチリした目を更にパチパチさせて俺を見る高野。
俺そんな珍しいこと言ったかな。
「え、待ってそんな固まんの」
しばらく黙り込む高野に軽く肩パンをくらわせれば、我に返ったようにハッとしてお酒が入ったグラスを机に置いて「喜んで」なんて笑顔で言った。
…かわ、いい、と思う。
俺おかしいかもしんない。