らしくないけど
「え、え、いいのかな」
「いいから言ってんの」
「咲良ちゃんは着ないのかな」
「結婚式の準備で忙しいんじゃねーの。最近2人で出かけるの結婚式のことでしかないって言ってたし」
「そっか、じゃあ着ようかな」
ポツリと呟いたあと高野は何を思ったのか、バッと勢いよく俺を見て眉間にシワを寄せた。
「何だよ」
「言っとくけど、咲良ちゃんが可愛いのはあたしも知ってるんだからね」
「は?何いきなり。つーか眉間」
さっきのお返しと言わんばかりに眉間をグッと押してやれば、頭がグラッと傾く。
「ちょっと、頭持っていかれるわ」
「お前それさっきの俺のセリフね」
「それに関してはごめん。ほんとに持ってかれた」
つーか何の発言なんだよさっきの。咲良が可愛いのは知ってるって何。どこからそんな話題出てきたのか知らねーけど全然関係ねーし。
いやしかもお前、咲良の事知ってるって一回写真見ただけじゃん。何友達みたいになってんの一方的過ぎるだろ。