らしくないけど

「で?」

「で?って何よ」

「何さっきの」

確かにあのウェディングドレスの写真は誰が見たって綺麗だって思うくらい、咲良に似合ってたけど。

それは今全然関係ない。大体何でちょっとふてくされてんだよわけわかんねー。


「………咲良ちゃんの浴衣でしょ?」

手に持ってたグラスを机に置くと、高野は俺が消したテレビを付けてボーッと画面を眺めながら言った。

「間違いなく咲良ちゃんには劣るけど、それでもよければ着ますよ」

………はー、何。

何だ。嫉妬?これってそういうこと?

「別に咲良が着てたとこ思い出すとかねーから。そもそも覚えてねーし」

こいつのそんな言葉を一瞬可愛いと思った俺も結構ヤバい。やめろ、バカ。

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