らしくないけど
「加地くんが素直になればきっと上手くいくよ」
俺よりもその展開を期待してるのは咲良の方。
「…俺って素直じゃない?」
「ツンツンツンデレぐらいじゃね?」
「だからお前さっきから何なんだよマジで」
今日何回目か分からない白城の横入りに思わず手が出た。肩を軽く殴れば、酔っ払った白城は楽しそうにケラケラ笑う。
「あの子には特にそうじゃん。まあ、あれくらい受け入れてくれてる子の方が加地には合ってると思うけどな」
「あたしも会いたいなー」
「俺にも会わせてよ」
「蓮くんまで何だよ」
咲良の隣に座ってた蓮くんは、さっきまで中村先生と話してたくせに急にそんなことを言い始めて。
気がついたら中村先生も吉野先生も高橋もこっち向いてて、何か全員で俺の話してるみたいになってるし何これ。はっず。
さっきまで俺と咲良で話してたはずなのに。