らしくないけど

「加地くん写真ないの?」

「…ねぇし。」

「いや嘘だな。絶対ある」

「何お前。何を根拠に」

写真見たがる辺りが高野と同じ反応でちょっと笑えるけど。お互いがお互いに興味津々て何なんだよ。

つーか白城は一回見てんだろ。


「まあ俺は見たことあるけど。美人な子だよな、多分すげーモテるんじゃねーの?」

白城にとって、あの時一度だけ見た高野の印象がそうであるように、初めて見たあいつの印象は決して悪いものじゃない。

だから中身を知らない限り幻滅することもないわけで。今あいつがモテてんのは多分そういうことだ。

中身を知ればきっと。なんて思いは山田には通用しなかったけど。つーかよりによって一番手強いやつに。


「そっか、美人さんなんだね」

「相当競争率高いんじゃね」

「それで加地くんこんなに不機嫌なんだ」

「別に不機嫌じゃねーし」

< 80 / 143 >

この作品をシェア

pagetop