らしくないけど
「加地くん写真ないの?」
「…ねぇし。」
「いや嘘だな。絶対ある」
「何お前。何を根拠に」
写真見たがる辺りが高野と同じ反応でちょっと笑えるけど。お互いがお互いに興味津々て何なんだよ。
つーか白城は一回見てんだろ。
「まあ俺は見たことあるけど。美人な子だよな、多分すげーモテるんじゃねーの?」
白城にとって、あの時一度だけ見た高野の印象がそうであるように、初めて見たあいつの印象は決して悪いものじゃない。
だから中身を知らない限り幻滅することもないわけで。今あいつがモテてんのは多分そういうことだ。
中身を知ればきっと。なんて思いは山田には通用しなかったけど。つーかよりによって一番手強いやつに。
「そっか、美人さんなんだね」
「相当競争率高いんじゃね」
「それで加地くんこんなに不機嫌なんだ」
「別に不機嫌じゃねーし」