らしくないけど

「……似合ってんじゃん」

「え?」

駆け寄って来た高野が、いつもと違って。

綺麗な浴衣を着こなしてるし、いつも下してる髪の毛も綺麗にまとめられてるし。それがすげー似合っててどうしようもない。

あー…、どうしよ。


「…すげー、似合ってる」

顔が熱い。心臓がうるさい。

やっぱり思った通りだった。

今見たら咲良よりも高野のことを可愛いって思うんだろうなって、ちょっと思ってたけど、こんなにも動揺するなんて、そこまで考えてなかった。

…目の前の高野まで赤くなってるし。


「何もう加地くん、今日素直な日なの?」

照れたように笑って俯いた高野。

何。こいつほんとに高野?

俺の目やっぱりおかしくなった?何かフィルターかかってんのかな。

…何で、こんなに可愛く見えんだろ。


「…行くか」

「…うん」

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