らしくないけど
思ってたより小さかった手とか、俺のそんなよく分かんねぇ発言に笑ってくれるとことか、改めて実感する。
俺思った以上に高野のこと好きなんだなって。
「加地くんは思ってた通りのサイズだね」
「あ、そう」
「あはは、反応薄すぎじゃない?」
こんな風に笑うのは、俺の隣だけであってほしい。
それが山田の隣でもそうだって言うなら、俺それはすげー嫌みたい。わがままだけど。言える立場でもないけど。
「高野」
「何?加地くん花火見てる?」
見てない。つーか、集中できないし。
……俺が頑張らないと何も変わらない。
変わらないどころか、望んでない方に向かっていってしまう。それはどうしても嫌で。
「高野」
「だから何…」
そう思ったらもう、口走ってた。
「好き」
覚えてんのは、驚いた高野の顔だけ。