らしくないけど
大きく変わる
何口走ったんだっけ。
俺、あのとき。
何かそのあとのことはほんとに何も覚えてなくて。唯一覚えてる高野の驚いた顔がチラチラ頭をよぎる。
考えすぎて早く着いたのはいいものの、隣の席が高野であることに変わりはなくて。おまけに今日は週初め。
……どうすればいい。
何これ何でこんな悩んでんの。しかも俺が。
「加地おはよー」
「う、わ!」
「え、何」
ゴン、と軽く椅子にぶつけられたカバンに驚いて立ち上がった。
「…んだよ誠二かよ」
「え、なになに、いつもやってんじゃん」
確かにそれは誠二の日課みたいなもので。誠二にとっては何ら変わりない毎朝の挨拶。
「ちょ…マジ無理」
「は?何、加地何かあったの?」
今何が起きても心臓いてぇ。