らしくないけど
「えーっと…加地…?」
「……何」
「今の…」
それを見ていた誠二が若干気まずそうに話しかけてきて、それに答えながら力なく自分の席に座り込んだ。
「…避けられてんじゃんどう見ても」
俺、間違えた?
これって普通、このまま好き同士がくっついてハッピーエンドなんじゃねーの?
…遅かったってことか。
「いや、まだ諦めんなって!」
「何お前暑苦しいな」
「だってまだ何も伝わってないだろ」
「好きって言ったじゃん」
「それだけな。今までそんな素振りも見せてこなかったんだろ、冗談だって思ってるかもしれないし」
…あー、ありえる。
今までの自分の行いのせいか。
「それに帰り道も終始無言って、郁ちゃんだって訳分かんないだろ。それもちゃんと説明してからだって、色々考えるのは」
…とりあえず、話をしないと何も伝わらない。