らしくないけど
勝手な独占欲で
話をしなければ、と思ったところで、高野がそれに答えてくれなければどうにもならない。
あの日から一言も話してない。
それももう一週間を越えて、もう少しで二週間目。
話しかけようと頑張ったところで、こっちを見ないし聞こえてないフリまでされたらさすがにメンタルやられるっていうか…、多分白城とかでも心折れる。
「うっわー、加地くらっ!」
「うるせーなマジで」
「シロ、声大きいよ」
来週には結婚式を控えてる咲良と、たまたま仕事が早く終わった白城で夜集まって飲もうということになった。
咲良が独身最後だからってことで、いつもは誰かの家に集まるところを、きちんと店に来て飲んでるわけだけど。
「加地くん、それから話してないの?」
「…したくても目も合わねーし」
後から合流するという高橋を待ちながら飲んでたとこで、どういうわけか高野の話になって。最近どうなんだと聞かれれば、正直に話すしかない。
「何でそんなことになんの?あの子加地のこと好きだったじゃん。両思いでハッピーエンドのはずじゃねーの?」
「俺に聞くなよ」