恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
地味女の出来心
腕時計の針が十七時を指すと同時、終業のチャイムがオフィスに鳴り響いた。
既に綺麗に片づけてあったデスクから立ち上がる私に、部長が声をかける。
「あ、白鳥さん」
また、どうでもいい仕事をいいつける気でしょう。
残業代はどうぞ、ご家族がいるおじさまたちに稼がせてあげてくださいませ。
暇そうな社員は、私の他にいくらでもいるでしょう。わざわざ一番言いつけやすい私に毎回言うの、いい加減卑怯だと思いませんか?
「お先に失礼します」
私は先に挨拶をすると、さっとその場を離れた。
影で何と言われていようが、聞こえなければそんなの皆無に等しいこと。
今日だけは、残業するわけにはいかないんだから。
だって、入社してから三年、ずっと気になっていた同期の佐伯くんに、食事に誘われているんだもの。
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