恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
シャワーを浴び、部長宅にあった試供品でメイクをし、仕方なく昨日着ていた服を身につけた私は、また感動していた。
同じように身支度をほとんど整えた日下部長が、朝食を作ってくれたのだ。
寝室に隣接しているLDK。白いダイニングテーブルに座ると、そこには御飯とお味噌汁。別のお皿に目玉焼きとウインナー、トマトを乗せたサラダ。
「さっさと食え。時間がない」
「ちょっと待って。写真だけ撮っていいですか」
思わずスマホを構えた私を見て、日下部長……もとい一成が呆れたように笑う。
「どうしてそんな誰でも作れるものをわざわざ撮るんだよ」
そういう彼の髪はまだ起きたままで、前髪でおでこが隠れてる。
そうしていると実年齢よりも若く、幼く見えて可愛い。
ご飯を撮るふりして、今の一成もこの一枚に押さえたい……。
とは思うものの、それはさすがに怒られそうなのでしぶしぶ断念して、お箸をとった。
ああ、幸せで胸がいっぱいだよ。
お腹は空いているから、ご飯はしっかり食べるけど。