恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
彼の後ろをついていくと、コインパーキングの看板が見えてきた。
「ビックリしました。まさか、取材されるなんて思ってなくて」
「お前は危機感がなさすぎる」
「でも……一成が助けに来てくれて、嬉しかった。まるで王子さまみたいで」
頭の中を、白馬に乗った白タイツと冠をつけた一成が横切っていく。
ほわんとしていると、一成が立ち止まった。
「……まったくお前は……」
「はい?」
一成の体から変な力が抜けていくみたい。どうして?
「もういい。行くぞ」
彼は私の手を繋ぎ直し、また歩き出す。
私は人生で初めての昼デートの始まりに、ただただドキドキしていた。
ついさっきトラブルに巻き込まれそうになったことなんて、綺麗さっぱり忘れていた。