恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
「一成が私に印をつけておこうと思ってくれただけで、嬉しいです」
恋人がいるとわかるように指輪をつけておけってことは、一成が私を独占したいと思ってくれているんだよね、勘違いでなければ。
そんなふうに扱われたことがないから、それだけでもありがたい。
「……どうして」
「はい?」
「どうして、そんなに可愛いことを言うんだ」
そう言い、一成の大きな手が私の頭を乱暴になでた。
「よし、じゃあお前の言う通りにする。まずどこに行けばいい?」
前髪を整えて見た一成の口角が、やっと少し上がっているのを見つけた。
ほっとしたら、私も自然に笑っていた。
私たちを乗せた車は行くべき方向を変え、ゆっくりと走りだした。