恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
唇が震えた。こらえきれない涙が落ちないように上を見上げた瞬間。
「ごめん。不安にさせて」
一成が踏み出し、私をぎゅっと腕の中に閉じ込めた。
「俺が今可愛いと思うのは、お前だけだ」
「いっせ……」
ここ、うちの玄関前なんですけど!
「ちょんまげでも、部屋着でも、お前が一番可愛い」
恥ずかしくて抵抗する私の両腕を捕まえ、一成は強引にキスをした。
そうされると、家族やご近所に見られたらどうしようなんていう気持ちはどこかに吹っ飛んでしまう。
こうして会いに来てくれた。
それだけで、ひどい仕打ちもすべて許せてしまえそうな気がした。