恋の罠にはまりました~俺様部長と社内恋愛!?~
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俺は病院を出てすぐ、理沙に連絡をした。休日だからか、彼女はすぐにつかまった。
『理沙、兄貴に聞いた。いったいどういうことだ』
『ああ……もうバレたの。せめてお父さんが元気になるまでは黙っていてって言ったのに』
向こうから聞こえてきたのは、落胆したような、それでいてどこかホッとしたような微妙な響きの理沙の声だった。
『今から会えないか』
『なに? 電話じゃダメかな』
『できれば会って話がしたい』
何より、兄貴と理沙が別れた本当の理由を、彼女の口から知りたかった。
兄貴に聞いたって、自分の都合の良いように言うに決まっているから。
『わかった。じゃあ一時間後に……』
彼女が指定したのは、家族ぐるみの食事会で何度か使ったことのある中華料理店だった。
ふう、と車の中で息をつく。
ふとダッシュボードに無造作に置いたままだったパーティーの招待状が目に入った。